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セクハラ・パワハラ事件

セクハラ・パワハラ事件

ア セクハラの定義
どのような行為がセクハラに当たるのでしょうか?男女雇用機会均等法11条第1項によれば, セクハラは次のように定義することができます。

職場において行われる労働者の意に反する性的な言動で, それに対する労働者の対応により,
①当該労働者がその労働条件につき不利益を受けるもの,又は,
②それにより労働者の職場環境が害されるもの .
イ パワハラの定義
他方,パワハラについて,法律上明言された定義はありませんが,厚生省円卓会議ワーキング・グループ報告平成24年1月30日によれば, パワハラは,次のように定義することができます。

同じ職場で働く者に対して,職務上の地位や人間関係などの職場内の優位性を背景に,業務の適正な範囲を超えて, 精神的苦痛や身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為 .
パワハラの典型的な行為類型として,次のようなものが挙げられます。
1.暴行・傷害(身体的な攻撃)
2.脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言(精神的な攻撃)
3.隔離・仲間外し・無視(人間関係からの切り離し)
4.業務上明らかに不要なことや執行不可能なことの強制,仕事の妨害(過大な要求)
5.業務上の合理性なく,能力や経験とかけ離れた,程度の低い仕事を命じること,仕事を与えないこと(過小な要求)
6.私的なことに過度に立ち入ること(個の侵害)
上記のうち,1~3のようにあからさまなものだけでなく,4~6のように,業務上の指示等との線引きが難しいものであっても, パワハラになりうるという点が重要です。

もしあなたがセクハラ・パワハラの被害を受けた場合,あなたは人格権侵害に基づき, セクハラ・パワハラを行った当の本人(上司や同僚など)に対して損害賠償を求めることができます (損害額の具体的な内容については,後述の「損害の額について」をご覧ください。)。

それだけでなく,普通,会社自体も同様の損害賠償責任を負うことになります。これは,会社があなたに対し,次のような法的義務を負っているからです。
•使用者責任(民法715条)
•債務不履行責任(民法415条)
•職場環境配慮義務(労働契約法5条)

したがって,セクハラやパワハラの被害を受けた場合には,加害者と会社の両方を訴えることもできますし,加害者のみ,あるいは会社のみを訴えることもできるのです。

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